損金処理が否認され、役員賞与に認定されるとどうなる |
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会社(法人)の事業活動に必要な費用は、経費として処理します。事業活動とは、お金を使って、 |
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売上や利益を得る活動を言います。 |
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したがって、税務調査において、社長が使用する消耗品や提供を受けるサービスの費用が、 |
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社長個人の利益にしかならず、 売上や利益の獲得に直接必要でないと認定されると社長への |
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賞与(給与)とみなされる場合があります。 損金として処理していた経費が、例えば、社長への |
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役員賞与と認定されると、 新たな税負担(法人税や社長個人の所得税など) が増えることにな |
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ります。会社の経費として損金算入が認められるのは、あくまで事業に関係ある支出に限られ、 |
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明らかに事業に関係のないもの、 社長や役員の個人的な支出とみなされるものについては、 |
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損金算入が認められません。 |
【裁決例】 |
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青年会議所(JC)の会議等に出席するための交通費、宿泊費、日当が法人の代表者に対する |
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給与に該当し損金不算入とされた事例 |
(1)事案の概要 |
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本件は、法人(審査請求人)の代表者が青年会議所(JC)の会議等に出席するための旅費交通 |
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費を損金の額に算入して法人税等の確定申告を行ったところ、原処分庁が、当該費用は請求人の |
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事業の遂行上必要な費用には当たらず、代表者に対して給与を支給したものと認められるとして、 |
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法人税等の更正処分等を行うとともに、源泉徴収に係る所得税等の納税告知処分等を行ったのに |
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対し、請求人が、原処分庁の認定には誤りがあるとして、これらの処分の全部の取消しを求めた事 |
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案です。 |
(2)請求人の主張 |
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① JCの活動は、リーダーの育成に資するものであり、請求人は、経営者教育の一環として、代表 |
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者をJCに入会させ、各会議等に出席させている。そして、現に各会議等の中で、組織論をはじめ |
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とする経営学を学習し会議の進め方、稟議書の取り方及び事業計画の策定の仕方を習得すること |
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で、経営者としての能力を向上させることができ、これらの活動を通じて得た技能や経験は請求人 |
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の事業にそのまま利用されている。したがって、各会議等を含むJCの活動に係る支出は、請求人 |
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の経営者に対する教育費用としての性質を有する。 |
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② JCの活動の中心は青年経済人である会員との交流にあるところ、請求人は、会員との交流や |
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人脈の確立が請求人の事業に貢献することを期待して、本件代表者をJCに入会させた上、本件各 |
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会議等に出席させた。そして、本件各会議等を含むJCの活動の場において、会員との交流や人脈 |
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を確立し、また、営業活動を行うことで、現に、 請求人は、JCの会員等を取引先として、約1億円を |
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売上げたほか、海外企業からの輸入事業に結びつけるなど受注活動費用としての性質を有する。 |
(3)審判所の判断 |
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① 法人がその役員の活動について負担した費用が、法人の事業遂行上必要なものではなく、役員 |
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が個人的に負担すべきものと認められる場合には、法人が役員に対し経済的な利益を供与したもの |
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であり、その費用は役員に対する給与に当たると解するのが相当である。そして費用が法人の事業 |
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遂行上必要なものではなく、役員が個人的に負担すべきものであるか否かの判断は単に法人の主 |
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観的な意図・判断によるのではなく、役員の活動の内容や費用を支出した趣旨・目的等の諸般の事 |
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情を総合的に考慮し、社会通念に照らして客観的に行わなければならないと解される。 |
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② 代表者の各会議等への出席は、社会の発展への寄与などのJCの活動目的を遂行するためのも |
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のであったと認められるから、旅費交通費は社会通念に照らし客観的にみて、請求人の事業の遂行 |
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上必要なものであったとはいえず、代表者が個人的に負担すべきものである。 |
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仮に、代表者が各会議等に出席したことが、取引先の確保や代表者の経営者としての能力の向上、 |
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新規事業の開拓に寄与することになったとしても、代表者の各会議等への出席が社会の発展への寄 |
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与などのJCの活動目的を遂行するためであることから、それはJCの活動に付随する副次的な効果に |
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すぎず、代表者の各会議等への出席が請求人の事業の遂行上必要なものであったということはでき |
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ない。 |
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③ (結論)旅費交通費は、社会通念に照らし客観的にみて、請求人の事業遂行上必要な費用では |
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なく、代表者が個人的に負担すべきものであるから、代表者に対する給与に該当する。 |
※【裁決例】の詳細は、国税不服審判所のホームページ、公表裁決事例にて確認することができます。 |
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http://www.kfs.go.jp/service/JP/100/06/index.html |