新会社法のポイント | 2005.11.15 | ||||||||
従来「会社法」という独立した法律はなく、一般に営利を目的とする法人を規制する商法をはじめと | |||||||||
するいくつかの法律を総称して「会社法」と呼んでいました。今回の商法改正で、会社に関連する法律 | |||||||||
を整理・統合して、あらたに「会社法」という独立した法律が制定され平成18年5月に施行予定です。 | |||||||||
カタカナ文語体 | ひらがな口語体 | ||||||||
1.商法第2編 | |||||||||
合名会社、合資会社、株式会社の三種類の会社についての規定が設けられている。 | |||||||||
2.有限会社法 | |||||||||
有限会社については、有限会社法という法律に規定が設けられている。 | |||||||||
3.商法特例法 | |||||||||
株式会社の規模別に特別の規定を設けている。 | |||||||||
統一化 | |||||||||
会社法 | 3つの法律を1つの法律として再編成する | ||||||||
中小企業に関係する改正点は? | |||||||||
@株式会社への一本化 | C会計参与制度の導入 | ||||||||
A会社設立手続きの簡素化 | D記帳条件の明確化 | ||||||||
B会社の機関設計の柔軟化 | |||||||||
@ | 「新しい会社法のポイントと 中小企業の対応策」TKC出版 | いままで | 新会社法 | ||||||
株式会社・有限会社 | 株式会社(株式譲渡制限会社) | ||||||||
A | 設立関係 | 最低資本金の制限 | 株式会社 | 1000万円 | 制限なし | ||||
有限会社 | 300万円 | ||||||||
設立時の払込金保管証明書 | 必要 | 銀行等の残高証明で足りる | |||||||
類似商号の規制 | 同一市町村内において同一の営業目的で類似した商号は登記できない | 類似商号規制の廃止 | |||||||
B | 株主総会 | 権 限 | 株式会社 | 商法、定款で定めた事項だけ決定 | 取締役会 設置会社 | 法令や定款で定めた事項だけ決定できる | |||
有限会社 | 万 能 | 取締役会 設置なし | 株主総会で何でも決定できる | ||||||
取 締 役 | 取締役の人数 | 株式会社 | 3人以上 | 1人以上 | |||||
有限会社 | 1人以上 | ||||||||
取締役会の設置 | 株式会社 | 必 要 | 任 意 | ||||||
有限会社 | 任 意 | ||||||||
代表取締役 | 株式会社 | 必 要 | 取締役会設置会社 | 必 要 | |||||
有限会社 | 取締役2人以上の場合任意 | 取締役会設置なし | 任 意 | ||||||
任 期 | 株式会社 | 2 年 | 通常2年。定款で最長10年以内に延長できる | ||||||
有限会社 | 制限なし | ||||||||
監 査 役 | 監査役の設置 | 株式会社 | 必要(1人以上) | 取締役会設置会社 | 必 要 | ||||
有限会社 | 任 意 | 取締役会設置なし | 任 意 | ||||||
任 期 | 株式会社 | 4 年 | 原則4年。定款で最長10年以内に延長できる | ||||||
有限会社 | 制限なし | ||||||||
C | 会計参与 | 設 置 | 任 意 | ||||||
任 期 | 原則2年。定款で最長10年以内に延長できる | ||||||||
D | 決算・会計 | 配当の規制 | 剰余金を限度とする制限有り | 純資産300万円未満の場合は配当できない | |||||
決 算 公 告 | 株式会社 | 必 要 | 必 要 | ||||||
有限会社 | 不 要 | ||||||||
会計の準拠性 | 公正な会計慣行を斟酌する | 一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従う | |||||||
記帳条件 | 会計帳簿には整然かつ明瞭に記載、 | 適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない | |||||||
記録する | |||||||||
Q | 当社は有限会社ですが、今後どうなるのでしょうか? | ||||||||
A | 有限会社法が廃止され、新しく有限会社を設立することはできませんが、既に存在する有限会社については | ||||||||
経過措置が定められ、そのまま存続できることとなります。 | |||||||||
株式会社へ移行する場合 | 定款変更した上で登記が必要 | ||||||||
Q | 当社は株式会社ですが、何もしなくてもよいでしょうか? | ||||||||
A | 何も手続きをしなくても問題ありませんが、会社の実態、今後の展開に応じた見直しが必要となるケースが | ||||||||
考えられます。 | |||||||||
新 「会社法」の施行により | |||||||||
@取締役の数 A取締役の任期 B監査役の設置有無 C会計参与の設置等、自由な機関設計 | |||||||||
が可能となります。 | |||||||||
見直しが考えられるケース | |||||||||
取締役3名、監査役が1名必要だったため、家族や知人に頼んで取締役や監査役に就任 | |||||||||
してもらっている場合。 | |||||||||
以上、関与先企業様に関係する改正点について記述いたしました。 | |||||||||
株式会社の100%が「株式譲渡制限会社」ですので、あえて公開会社の取扱にはふれませんでした。 | |||||||||
また、合同会社という会社形態が新設されましたが、使い方によっては利便性が高く、今後の研究課題です。 | |||||||||
*「株式譲渡制限会社」とは…中小企業企業のほとんどがこの形態。 | |||||||||
発行するすべての種類の株式について、定款に譲渡の制限に係る定めをした会社です。 | |||||||||
(参考、譲渡制限会社の機関設計) | |||||||||
ケース | 1 | 2 | 3 | 4 | |||||
機関 | |||||||||
株主総会 | ● | ● | ● | ● | |||||
取締役 | ● | ● | |||||||
取締役会 | ● | ● | |||||||
監査役 | ● | ● | |||||||
会計参与 | △ | △ | △ | ● | |||||
・取締役会は取締役3名以上で構成 | |||||||||
・△は任意で設置が可能なのことを意味しています |