自社の資金繰り対策 その3 7-04資金繰り改善
 金融機関は、会社の資金繰りのどこを見るか
   ほとんどの会社は金融機関からの融資を受けています。
   借入金額が適正に行われているのかどうか、 金融機関は
   企業全体の資金の流れを見て、融資判断を行っています。
  金融機関側から、会社の資金繰り状況のよし悪しを確認しましょう。
資金繰りの大まかな動向は貸借対照表から掴む 貸借対照表
ことができます。 流動資産    流動負債
 貸借対照表からチェックすると、以下のような分析 固定資産    固定負債
ができます。    株主資本
状況は良好と判断される資金の動き
①長期借入金(固定負債)の実施や増資(株主資本)などによる長期的な資金で売掛金や棚卸し資産な
 どの流動資産の増加による資金不足をカバーしているケース
②利益の留保による株主資本の蓄積で売掛金や棚卸し資産などの流動資産の増加を賄っているケース
③①と同様の長期的資金で買掛金や未払金・短期借入金などの流動負債を返済しているケース
④②と同様の株主資本の貯蓄で買掛金・短期借入金をはじめとする流動負債や長期借入金などの固定
 負債を返済しているケース
状況は悪化と判断される資金の動き
①赤字補填のため短期借入金などの流動負債が増加したり、棚卸し資産が減少したりしているケース
②短期借入金などによる短期資金で機械設備などの固定資産を増加させているケース
③棚卸し資産などの流動資産を減少させて、機械設備などの固定資産を増加させているケース
④短期借入金などの流動負債で導入した資金で長期借入金などの固定負債を返済しているケース
⑤棚卸し資産などの流動資産を減少させて、長期借入金などの固定負債を返済しているケース
健全か不健全かの判断基準
黒字決算で得た内部留保で、売上高アップによる売掛金増加に伴う運転資金不足を補ったり借入
金を返済していれば健全ですが、安易に赤字補填を借入金で賄ったり、借入金の返済のために新
たな融資を受けて、資金の帳尻あわせをしている会社は不健全と判断されてしまいます。
  借入依存症に陥らないためにも、適正な借入金残高を目標に借入返済計画を立てることが必要です。
  そのためには、黒字決算と納税が絶対条件になりますので、納税なくして目標達成はあり得ないことを
  心がけておきましょう。