■会計
請求漏れ、二重請求等を防止するため
売掛金・買掛金管理を徹底しよう!
 期中に継続的に発生主義を採用することで精度の高い月次決算書の作成が可能ですが、
タイムリーな記帳(入力)による帳簿記録を活用することで、売掛金管理、買掛金などをしっ
かりと行うことができます。
1.売上取引と売掛金管理
 売上取引を発生主義で行うと、商品を得意先へ引き渡したタイミングで売上が計上され、
同時に売掛金の発生が記録されます。商品を引き渡した時点で、会社は得意先に販売代金
の請求をすることが確定するため、この時点でしっかり「請求すべき金額が増えた」ことが記
録され、売掛金管理が可能になります。月次決算を発生主義で行うことで、請求漏れをなくし
与信残高が見えるようになり、入金の遅れを早期に把握することができます。
【売掛金管理のステップ】
①発生主義で売上、売掛金を計上する→経営に役立つ月次決算書の作成
②どこにいくら売掛金があるか把握できる→請求漏れ、与信オ-バーの早期発見
③将来いつ、どこから、いくら入金があるかがわかる→今後の入金(資金繰り)予定の明確化
④入金すべき金額と入金実績とのズレがわかる→入金の消込で請求ミス、計算間違いの早期発見
⑤入金が遅れている売掛金がすぐわかる→滞留先への迅速な対応
2.仕入取引と買掛金管理
 発生主義の場合、商品が仕入先から納品された時点で仕入(在庫)が計上され、同時に買掛
金の発生が記録されます。商品が入庫された時点で、会社は仕入先に仕入代金の支払義務が
確定するため、この時点でしっかり「支払うべき金額が増えた」ことが記録されていくと資金繰り
管理に有効な情報が得られます。発生主義による月次決算であれば、購入してもいない代金を
支払うような管理ロスをなくし、資金繰り情報を速やかに把握することができます。
【買掛金管理のステップ】
①発生主義で仕入、買掛金を計上する→経営に役立つ月次決算書の作成
②どこにいくら買掛金があるか把握できる→買掛金の計上漏れの早期発見
③将来いつ、どこに、いくら支払いがあるかがわかる→今後の支払(資金繰り)予定の明確化
④支払うべき金額と支払請求書とのズレがわかる→支払ミス、請求相違の早期発見
⑤請求書が遅れている買掛金が把握できる→原因究明への迅速な対応
3.在庫管理
 売上取引、仕入取引の記帳を発生主義で行うと、商品の入出庫のタイミングで記録が行われ
るため、どの商品がいくつ残っているかがわかります。商品の入出庫を商品別に記録管理する
ことで、商品のあるべき在庫数量と在庫金額が把握できるようになります。
 現金主義の場合だと、現物を確認しなければ、どの商品が、いくつ倉庫にあるのかがわかりま
せん。発生主義による記帳で、はじめて商品別の在庫数量管理ができ、これにより商品が欠品
にならず過剰とならないように発注点管理が可能になります。
 また、棚卸差異を分析することで、商品の誤発注、誤納品、滞留在庫、盗難等による損害など
を把握することができます。