黒字決算のために不可欠な
経営計画の作成手順
 会社の年度経営計画(短期経営計画)を作成するには、まず「次期の目標とする経常利益」を決めます。
目標経常利益を決める出発点
  Q 来期の業績アップを目指して、経営計画を作成   計算すると、御社の最低限必要な経常利益
   したいのですが、どのような手順で作成すれば   は600万円になりますね。つまり目標利益は
   いいのでしょうか。   600万円以上にしましょう。
  A.業績アップの道筋を具体的に計画することは、    また、利益に対する法人税等の納税は内部
   目標達成に必要なことですし、経営全般にとって   留保を厚くするために避けて通れないコスト
   プラスになります。 短期の経営計画を作成する   と考えてください。
   には、まず、次期の目標経常利益をいくらにする   
   かを決めます。   Q.現状だと、600万円以上の経常利益を
      確保するのは、厳しいかもしれません。
  Q.目標とする経常利益はどうやって決めれば   A. 最初から 「到底ムリ」とあきらめないでくだ
   いいのですか。    さい。経営に必要な資金を確保するためにも
  A.最低限確保したい経常利益を計算するのには    毎期一定以上の経常利益が必要なんです。
   定期積金などの「年間の預金積立額」と「借入金    目標経常利益を確保するためには、売上高・
   (元本)の年間返済額」の合計額に、減価償却費    限界利益率の伸び、従業員給与・賞与、固定
   や利益に対する法人税等を加味した額がひとつ    費の見直し、営業サイクルや販売先の見直し
   の目安になります。  実際に御社の数字で計算    さらに社長の役員報酬の増減等を含めて、あ
   してみましょう。    らゆる可能性を検討しましょう。 そこから自社
              の経営課題も浮き彫りになってきます。これも
   経営計画を作成する目的の一つなのです。
  (次月は、目標経常利益の達成と資金繰りの安定)
  最低限必要な経常利益の計算例
  最低限必要な経常利益  = 年間の預金積立額+借入金(元本)の 年間返済額 - 減価償却費
(1-法人税等の実効税率)
    上記、計算式を具体的な金額に落とし込んでみましょう。
      ①定期積金 年間120万円(月額10万円) ③減価償却費の計上額 年間180万円(月額15万円)
      ②借入金の返済額 年間480万円(月額40万円) ④法人税等の実効税率  30%
     ① 120万円+② 480万円-③ 180万円  = 600万円(最低限必要な経常利益)
(1-④ 0.3)