黒字決算に向けた決算対策
3月に決算を控えた企業も多いと思います。 赤字の見通しであれば、今からでも可能な
利益確保対策を、黒字の見通しであれば、来期以降の業績につながる有効な節税対策
を検討しましょう。
現状の数値を把握し、決算数値を予測する
 まずは、期首から現在までの自社の業績について、売上高、経費、利益などの数値を
正しく把握します。現在までの実績を踏まえて、未経過月の業績を検討し、売上高、経費
利益など項目ごとに決算数値を予測し、赤字決算なのか、黒字決算なのか、目標利益は
確保できるのかを把握します。
決算対策(利益確保、節税)を検討する
 予想数値をもとに決算対策を検討します。 決算対策というと、黒字企業の節税対策と考
えられがちですが、当期の目標とした利益を計上できるように、決算前に講じる様々な対
策を指します。 近年は、赤字企業に対する金融機関等の評価も厳しくなっており、赤字の
ときほど、決算対策として黒字化に向けた利益確保対策を行う必要があります。
 反対に、業績好調で、予想よりも多くの利益が出そうであれば、設備投資や備品購入の
当期への前倒し、決算賞与の支給などが考えられます。 いずれにしろ、決算対策は、税
法等の法律の範囲以内で合法的に利益の確保、利益の圧縮を行うことになります。
(1)利益確保対策
 大切なことは、たとえ決算期末まで残りわずかであっても、決してあきらめず、「まだやれ
ることをやる!」ことです。あきらめたら、そこまでです。
 黒字経営のためには、今期の利益確保のみでなく、来期に黒字化するための方策を今
から実施するという考え方も大切です。
対策例① 業績向上への取り組み
・営業活動を見直して重点取引先に対するアプローチをはかる
・見積もり段階にある案件の成約、本採用に向けた営業を行う
・販売促進の強化(決算バーゲン、在庫一掃セールなど)
対策例② 経費の先送り
 備品、消耗品の購入、広告宣伝費などの中で緊急性の低いものは翌期に先送りして、
当期の費用にならないように調整します。
対策例③ 含み益のある資産の処分など
 含み益のある株式や土地、その他の資産が処分可能ならば、処分を検討しましょう。
利益確保対策を検討しよう!
交際費等の削減
経費の先送り
広告宣伝費の中止
家賃の値下げ交渉
保険契約の見直し
役員報酬の減額
株式の処分
土地の処分
含み益のある資産の処分
*次回は、来期につながる節税対策です。