会社の「現場力」を
    高めよう
日本の中小企業の強みと言われる「現場力」を高めることで収益体質への転換を目指す考え方
が最近注目されています。製造現場、販売現場などというように「現場」とは、企業が利益を生み
出す場所を指します。
    現場力には3つの段階がある
   「現場力」に関する著書で知られる遠藤功氏は、   (2) よりよくする能力
  現場力には次の3つの段階があるとしています。         ・・・「日々の改善の習慣化」
  (1) 保つ能力・・・「標準化」    たとえ優れたマニュアルがあっても見直す
   「保つ能力」とは決められたことを確実に実行   努力が必要です。
   する力です。    無印良品で知られる良品計画では、たとえ
   「1人にしかできない」ではなく「誰にでもできる」   ば「きれいなシャツのたたみ方」を標準化し
  マニュアル化を細かく行い、日々の業務で迅速な   て全店に分解写真で徹底。優れた提案があ
  対応力を鍛え続けることで「保つ能力」が発揮され   れば取り入れ、マニュアルを常に更新してい
  ます。そのキーワードは「標準化」です。   ます。「改善が習慣化した現場」こそ中小企
   JR東日本は毎日の乗降客が平均約1,700万人、   業の目指すべき姿ではないでしょうか。
  70万キロ超の列車走行、ドアの開閉は620万回、   (3) 新しいものを生み出す能力
  信号確認140万回、踏切開閉70万回超と言います         ・・・「改善から経営革新へ」
  が、数多くの小さな現場力によって正確で安全な   (1)と(2)の現場力は、HOW TO DO(いかに
  列車運行を心がけています。  行うか)が基本ですが、「新しいものを生み出
     す能力」が発揮され、WHAT TO DO(何を行
     うか)の段階、すなわち革新的な新商品や新
     業態などを生み出すレベルまで進化すること
     が現場力の究極です。
    
   あなたの会社の「現場力」をチェックしてみましょう
    □いつも決められた通りに業務が遂行され、均一な品質レベルが常に確保されていますか
    □仕事の手順を細かく標準化した業務マニュアル等はありますか
    □特定の社員だけができる仕事を極力減らすように努めていますか
    □「標準納期」や「標準コスト」等の指針が明確に示されていますか
    □経営者は日頃から業務改善の努力を訴え、社員はこれに応えて改善を心がけていますか
    □現場の社員が業務改善について話し合いや提案のできる機会や仕組みがあり、業績アップ
     にも結びついていますか