| 石角完爾著:ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集より |
| 道に迷ったお姫様 |
| ある国のお姫様が森の中で道に迷ってしまった。どの道をたどっても行き止まりで、何日間も森 |
| から出られない。 すると森の奥で一人の白髪の老人に出会った。お姫様は、これで助かったと |
| 思い、「私は道に迷ってしまいました。どの道をたどればこの森から出られるのか教えてください」 |
| と、その老人に聞いた。 老人は、口をもぐもぐさせながら、お姫様にこう答えた。 |
| 「わしは、この森でもう40年も道に迷っている。わしが教えられるのは、どの道を進めば森から出 |
| られないか、ということだけじゃよ」 |
| 多くの失敗から学ぶ —悪い時の経験が成功に導く |
| しぶとさの基盤 |
| 「あなた方の身を悩まさなければならない」(民数記29章7節)など、 ヘブライ聖書には、ユダヤ |
| 人が苦労することを求める記述がある。他の宗教は、災厄から逃れることを神に祈るが、ユダヤ |
| 人は耐えられる苦難を経験するべきだとか、神が教えるのである。こうした発想が、ユダヤ人の |
| しぶとさや簡単に物事をあきらめないことの基盤となっているのである。 |
| ユダヤ教の学習会では、さまざまなテーマで議論が行われるが、失敗談を話し合うことが最も |
| 奨励される。ユダヤ人は、迫害の歴史の中で、苦難や失敗に追い込まれることが多かった。 |
| だから苦難や失敗を大切にし、「なぜ間違えたのか」に、大きな関心を注ぐ。間違えた道を分析 |
| すれば、正しい道が見つかるからである。 ビジネスでも調子がいい時ばかり経験してきた社員 |
| からは、有能な経営者は育たない。 挫折や失敗を知らない人間は、ある時とてつもない落とし |
| 穴にはまる危険がある。制御装置が利かなくなるのだ。 |
| ユダヤ人では、成功した人の話より失敗した人の話のほうが役立つと考える。 ユダヤ人が |
| 圧倒的に多いハーバード・ビジネス・スクールの教材でも失敗例が多く取り上げられる。 |
| 日本のビジネスマンも、ハウツー本の成功談ばかりを参考にするのではなく、リアルな失敗談 |
| にもっと関心を向けて欲しい。失敗談にこそ、成功へのヒントが限りなく隠されているのである。 |
| 失敗談を何で読むか? ユダヤ人はヘブライ聖書である。さて日本人は? |
| 「最も良い教師とは、最も多くの失敗談を語れる教師である」 -ユダヤの格言 |