価格設定は「究極の二極分化」をはかる 2-1
㈱TKC出版:「 売上げ・受注アップ10のポイント」より
1.中途半端な価格設定は命とりとなる
  お客様が商品を購入する際の基準のなかで、日を追うごとにウェートが高まっている
のが価格です。したがって、自社の商品をいくらで売るかという価格設定によっては、
売れ行きが大きく変わってくるというのも今の時代の特徴です。
  たとえば、あるスーパーの店頭に5社のメーカーの5つの類似商品が並べられていた
としましょう。各社の価格設定はまちまちで、最もブランド力のあるA社の商品が最も高く
、次いでB社とC社が続き、少し価格差があってノンブランドのD社、そしてE社の商品が
一番安かったとします。
  今の時勢、このAからEまでのどの会社の商品が
一番売れるのでしょうか。
  この答えは、E社が圧倒的に多く、次いでD社、A社
の順で、B社C社の商品の売れる数はガクンと落ちるの
が普通です。
  要するに、今は低価格かトップブランドの商品しか売
れず、中途半端な根づけをすると、お客様に他の商品と
比較すらしてもらえないという結果を招いてしまいます。
2.高額商品を数量限定、期間限定で売り出す
 では、ブランド力の乏しい中小企業は、同業他社よりもさらに安い価格設定をしなけれ
ば商品は購入してもらえないのでしょうか。
 基本的には、大量に生産している商品なら、さらなるコストダウンに取り組んで、価格
競争力をつけるしか道は残されていません。ただ、1年とか2年後に景気が回復する見
込みでもあれば、我慢できるかもしれませんが、今の不況がいつまで続くのか、非常に
不透明感が強く、予測することは難しいと言わざるをえません。
  その我慢の先に展望が開けているのであれば将来に希望が持てますが、それがな
ければ、まさに八方ふさがりといわざるえません。
 それなら、ただちに展望が開けるような新しい手を打つべきだと思います。
  その方法のひとつが、自社の持てるすべてのパワーを結集して、高額商品をつくる
ことです。最高の材料を使い、先端技術を使ってではなく、昔ながらの手づくりで、商品
の一つひとつに手間隙をかけ、これ以上のものはできないていうものをつくるのです。
仮に、機械を使えば1日に3000個つくれる商品なら、手づくりで1日30個つくり、機械
でつくれば1個200円の商品を、「1日限定30個限り」と大きく謳って1個1,000円の価格
設定をするのです。
その目的とするところは、……次月号へつづく