木越和夫著(箸匠せいわ創業者) |
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小さな会社『商売繁盛の特効薬』より |
商売繁盛の原点とは |
商売を長く続けていくうえでいちばん肝心なことが、リピーターや固定客を増やすことです。 |
一方、客単価をあげることも重要で、この二つの相乗効果で売上アップにつなげていくのが、 |
商売繁盛の原点です。わかりやすい数字をあげて説明しましょう。 |
仮に、月の来店客数が千人、客単価千円のラーメン店があったとしましょう。粗利利益率 |
は50%とします。 |
この店の一ヵ月の売上は「千人×千円」で百万円、粗利益は50万円になります。 |
では、店主が頑張って来店客数と客単価を一割アップさせたとすると、「千百人×千百円」 |
で売上は121万円、21%増えたことになります。粗利益も21%増えて65万5千円になります。 |
これが商売のおもしろみで、来店客数あるいは客単価の両方の数字を少し増やすだけで、 |
売上も利益も大幅にアップします。当然この逆もあって、来店客数・客単価ともに一割ダウン |
すると、売上は81万円で売上・利益ともに19%減り、一割アップさせるかダウンするかでは、 |
じつにその差は40%にもなるのです。 |
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とにかく、リピーターや固定客を増やし、客単価をあげることに全力を注がなくてはいけない |
のですが、残念ながら、一度に、あるいは一つのことで、一割も来店客数を増やせる方法、 |
客単価をあげられる方法はありません。 |
来店客数が1%増えると思われることを十数回、客単価を1%あげるための工夫を十数回 |
やってみて、うまくいかなかったことを差し引いて、ようやく来店客数と客単価をそれぞれ一割 |
アップさせることができるのです。「商売はあの手、この手に、もう一丁」なのです。 |
商売繁盛のいちばんの特効薬は、どうすれば儲かるのかという理屈を知ることに尽きます。 |
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よそ目には急激に規模を大きくしたと映るような店があるかもしれませんが、その多くは、 |
先述した1%の地道な努力の積み重ねが一定の時間の経過のなかで実ったと考えるべき |
です。しっかりと根を張らせていくうえで、1%の積み重ねを疎かなしてはいけないと思います。 |