賃金アップについて |
先月下旬、大寒波の到来により厳しい寒い日が続きました |
二月に入り、これからは日毎に一分ずつ 日の出は早く、日没が遅くなり もうすぐ春です |
政府は 企業に物価上昇分を超える賃上げを要請している。消費者物価指数の上昇率は |
3.7%に達しており、賃上げが実現しない限り、生活水準が低下するのはほぼ確実となります。 |
既に大企業では、政府の要請を受け大幅な賃金アップの姿勢を見せています。 |
この機運が果たして、中小企業にも波及できるのでしょうか。 |
中小企業の数は約430万社で、大企業を含めた全企業数に占める中小企業の割合は99.7% |
です。そして、中小企業の従業員数は2,800万人で、大企業を含めた全従業員数に占める |
割合は約70%です。 |
つまり、日本の会社の99%は中小企業であり、日本で働く労働者の70%は中小企業に勤め |
ていることになり、その中小企業が物価上昇分を超える賃金アップに懸かっています。 |
ところで国税庁の調査によると、じつに70%の中小企業が赤字経営に苦しんでいると云 |
われています。(TKCシステム利用した関与先企業様の黒字割合は53.7%) |
「大企業は、儲けた利益を設備投資に使わず、大量の流動資産として内部留保しているから、 |
それを原資に 最近の物価上昇分を従業員の賃金アップとして分配してください」という |
ことだと思います。そもそも中小企業には、内部留保がありませんので政府の要請を受け入 |
ることは難しいところです。例えば 1万円の昇給を行った場合、社会保険料負担増1,500円 |
を加算し 会社は年間138,000円もの利益が圧迫され、資金繰りにも悪影響を及ぼします。 |
それでも、なんとか考えられる賃金アップ方法はないものでしょうか? |
1.売上取引先が大企業である場合 ・・・・ 値上げ単価の交渉が図られる |
2.役員報酬を減額し、昇給分に当てる ・・・・ 生活に余裕があれば可 |
3.定期昇給・ベースアップとしないで、物価上昇分を一時的賞与として支払う |
4. 自分の能力で、年収を上げる努力をする |
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円安為替等による物価上昇分を超える賃金アップの要請は、大企業と小規模企業の |
賃金所得格差が更に拡大し、社長も従業員にとっても辛いところである。 |
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